6月 19, 2012

自家現像を始める話(4) 手順の話-フィルムを現像タンクへセットするまで

Posted in scrible tagged , , , @ 12:28 by R_tungsten

Shibuya Sta.

 さて、2回に渡って、準備するもののお話をしてきました。大体どれぐらい初期投資が必要か分かっていただけたでしょうか?
 薬品と道具が揃ったらいよいよ自家現像の始まりです。撮影済みのモノクロフィルムを1本用意しましょう。とりあえず、失敗したら後悔するような写真は写ってないフィルム、の方が安心です(笑)。

 手順の話を始める前に、操作中何を考えていれば良いのか、の話をしておきましょう。
 これまで何度か「再現性」と言う言葉を使いましたが、これはつまり、「次に同じ現像をしようとしてちゃんと同じ現像が出来るか」、その保証を自分で作っておく、と言う事です。何故そんな事を考えねばならないのか、と言うと、常に同じように現像できないと、写真の出来上がりが撮影時の想定からズレてしまう、からです。イメージからズレる、これを回避する為に、常に再現性には気を使わなければいけません。将来的には幾つか現像のパターンを自分なりに用意していると表現の幅が広がって楽しいですが、とりあえずは必ず同じ結果が得られるように考えながら操作しましょう。当連載ではそのような作業を「操作の妥当性を考える」と表現することにします。
 ところで、僕の母校の有機化学の教授は「ビーカーを外から洗うべきか、それとも中を先に洗うべきか」どちらが妥当かを考えて1日がつぶれたことがあるそうです(笑)。そこまで考える必要はありませんが、妥当性というのはそれだけ重要という一つの例と思ってください。ちなみに、僕はどっちから洗っても大きな違いはない、と思います。つまり考えない事が妥当ですよね、この場合(笑)。
 では、何回かに分けて自家現像の手順を説明してみましょう。

 1.現像液のstockを作る
 D-76の場合、粉を水に溶かしてstockを作ります。具体的には52℃のお湯828mL(ぶっちゃけ適当な量で良い)を用意して、攪拌棒で攪拌しながら、底に沈まない程度ずつ粉を加えて溶かしきります。溶かしきったら1Lになるまで水を加えて、遮光容器へ入れて常温まで冷まします。
 52℃のお湯、と言うと給湯器ではギリギリ出ないぐらいの高温なので、コンロで水を適当に加熱して冷やした方が早いでしょう。温度は温度計で正確に測ってください。前述の通り1L用なら1L分全部溶かし切るのが鉄則です。
 ちなみに52℃とか828mLとか半端な数字が出てきますが、たぶん華氏とかガロンなんだと思いまs(略
 冷ますのにそこそこ時間がかかるので、前日に作っておくと良いかな、と思います。氷や冷蔵庫で急冷すると、再結晶化して濃度が狂うと思いますので、室温でゆっくり冷やしてください。

 2.お風呂に入る
 服を脱いでお風呂に入ります。
 ……いや、マジで。お風呂場で乾燥する場合、空中に浮遊している埃を少しでも落としておく為、ひとっぷろ浴びておきましょう。

 3.フィルムを現像タンクにセットする
 さて、漸く現像らしく(?)なってきます。フィルムをリールに巻いて現像タンクへ入れましょう。
 まずはパトローネからフィルムのベロをフィルムピッカーで取り出します。使い方はピッカーに書いてあると思うのでそれに従ってください。楽しいよ。
 ベロが出せたら、先端を10cmぐらい切り落とします。ここのところはカメラにセットする際、露光してしまっている部分なので恐れず多めに切り落としましょう。フィルムが長いとリールに巻ききれず、最後の方が現像ムラになることがあります。
 切り落とす際には、パーフォレーションの穴を避けて、平行になるように心がけましょう。斜めになっているとリールにきちんとセット出来ません。

 さてここから先はダークバッグの中での作業になります。ダークバッグにフィルム、ハサミ、現像タンク(※蓋を忘れずにねw)、リール、を入れて閉じます。入れてしまうと当然外からは見えないので、どこに何があるのか把握し易いように、いつも同じ場所に道具を入れるようにすると楽です。右利きの場合は、左側にリールとタンク、右側にフィルムとハサミを入れるとやり易いでしょう。

 フィルムの先端をリールに引っ掛けて巻いていきます。リールの軸にはパーフォレーションの穴を引っ掛ける爪がありますが、やはり外からは見えないので手探りで爪の部分を探します。LPL製のリールの場合、蚊取線香の終端が飛び出ているのが指で探って分かるので、それを目印にします。左手でリールを持った場合、爪は蚊取線香の終端より少しだけ右側です。ダークバッグに入れる前によく確認しておきましょう。
 リールを左手、パトローネを右手に持って、フィルムの先端がリールの中へ平行に入るように調節しながら爪をパーフォレーションに引っ掛けます。平行に引っかかっていないと2周目ぐらいで上手く巻けなくなると思うので、その場合は引っ掛けるところからやり直します。
 何周か巻けたら、一度フィルムが前後に動くか確認します。ひっかかって動かない場合、ちゃんと巻けてませんのでやり直します。この操作は巻いている最中ときどき行って、フィルムが曲がってリールに入っていないか確認します。
 何周か巻くと簡単には外れなくなりますので、フィルムをリールに押し込むようにして巻いていきます。リールでフィルムを巻き上げるのではなく、飽くまでフィルムをリールに押し込むように巻いてください。なんでか、と言うと、現像する面はリールの中心側を向いているのですが、リールで巻き上げるように巻くと、中心側の面とリールが接触してしまって、上手く現像面に薬液が回らなくなりムラの原因になるからです。
 36枚撮りのフィルムなら、リールに目一杯巻いた辺りで、フィルムを全て巻いた状態になります。ハサミでパトローネに固定されている部分を切り取り、残りの部分もリールへ押し込みます。リールの外側を指で撫でて、フィルムが外に飛び出していないか確認したら、現像タンクへ入れて蓋をします。これでダークバッグから取り出しても大丈夫です。

 120の場合は、ダークバック内で一度巻紙を全部ほどいて、フィルムだけ取り出してから、巻き始めます。135より短いので割りと簡単です。

 自家現像を始めて失敗する大半の原因はリール巻きの失敗だと思うので、慎重に行いましょう。一度未露光のフィルムを一本無駄にして、ダークバックの外で見ながら巻いてみると良いと思います。慣れたら目を瞑って巻いて、違和感を感じたら目を開けてどうなっているか確認すると良い練習になるでしょう。
 音は意外に大事なので、リールにフィルムを巻く際にはBGMは控え、無音でハァハァ言いながら巻けば良いと思います(笑)。

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