12月 10, 2011

シャッターチャージと精神衛生

Posted in scrible tagged , , @ 15:43 by R_tungsten

燈台守の声は聞こえない

 手巻きのカメラを使うとき、巻いてから撮るか、撮ってから巻くか、ということに悩むことがある。
 すごく昔のカメラでない限り、シャッターチャージ(※シャッターを切るためにエネルギーをチャージする=バネ的なものをひっぱること)は、巻上げと連動している。ので、巻いてから撮るか、撮ってから巻くか、どちらかに統一していないと、いざ撮ろうという時にシャッターがチャージされておらず、撮れない、ということが起こるからである。
 ちなみに、シャッターチャージとフィルムの巻上げが連動していることを、セルフコッキング、と呼ぶ。別にエロい意味の言葉ではない。


 細かいことが気になる人の場合、シャッターをチャージすると、バネ的ななにか、が引き伸ばされたままになるから、なんかそのうち弱ってきそうで、出来るだけチャージしてから撮るまでの時間を短くしたい!と思うことがある。そんな人は撮る前に巻く、という作法を採用することが多い。ちなみに僕もF3HPを使っているときはこっち派だった。といっても、細かいことが気になるガラスの心臓を持っていたから、というわけでもなく、撮る前に巻く、という動作がライフルに弾を込める動作に似て、「ふひょー!わたくしこれから撮りますわよー!」という気分にさせてくれたから、だったりする。 
 まあそうは言っても、チャージしたまま、しばらく使わない、というのは細かいことはあんまり気にしない人間でも、なかなか精神衛生によろしくないので、とりあえず撮ったあとは巻かないことにしていた。
 ところが、Ikonta35はセルフコッキングではなかったので、撮ったら巻き上げ、撮る前にチャージ、という手順を踏むことになった。撮る前に巻き上げてチャージ、は動作が多すぎておっくうだったっぽい。ちなみに、Ikontaさんはチャージしてからシャッタースピードを変えると高速側では壊れる、という恐ろしい話を聞いたことがあったので、撮ったら巻き上げ⇒被写体発見⇒露出を制御⇒ピントを合わせる(※但し目測(笑))⇒構図を決める⇒シャッターチャージ⇒レリーズ、という流れであった。まあ近代の一眼レフではやらない流れである。
 ところで、巻き上げたは良いけど、やっぱ撮るのやめたwwwというシーンでは、「やべえ。チャージしちゃったよ、早く切らないとバネ的な何かがヤバイ気がする」と、人知れず震えて、結局適当な被写体を早めに見つけて切ってしまう、という謎の強迫観念に駆られてたりした。

blue sky, half moon

 昔の一眼レフだと、巻上げとミラー復旧が連動している、ということもある。普通は跳ね上がっているけど、それをキリキリと下まで降ろしてファインダー像を得るのである。この場合、巻かないことには被写体を見られないので、撮ったら巻く、という作法になることがある。Hasselbladの場合はもっと口煩く、「撮ったらチャージ( ゚∀゚)o彡゜常にチャージ( ゚∀゚)o彡゜はいチャージ( ゚∀゚)o彡゜」と、ユーザーは口を揃えて言う。なんでか、と言うと、被写体が見られない、ということもそうだが、チャージしないとレンズ交換出来ないし、フィルムマガジンをうっかり外した日にはコマが飛んだりするからである(※うっかりしていなければチャージしていなくても飛ばずに外せるけど、チャージしてれば確実に飛ばさない。詳しくは過去記事「フィルムの装填でやらかす話」を暇なときに読んでみよう!)。
 ちなみに上述のHasselbladのチャージしないと外れないレンズ、にはシャッターが内蔵されているので、レンズを外した場合はチャージされっぱなしである。「え、それって、しばらく使わなかったらなんかヤバくない?」と思われるかもしれない。「Hasselbladはその程度では壊れません!(キリッ」と言ってもいいが、頻繁に使っていればチャージしたままでも問題はない。最も忌避すべきは長時間の放置、だと思う。やむを得ず長時間放置の場合にはレンズのマウント側についてるシャフトを手動で回してシャッターを切っておいても良い。うっかりそのままボディに付けなければ(笑)。
 チャージしたまま放置、といえばRollei35シリーズの胴鏡は、シャッターチャージしないと沈胴出来ない、という素敵な仕様だったりする。まぁ保管するときには別に沈胴させなくてもいいんだから、そこまで精神衛生には悪くないけれど、チャージしたままのレンズを動かして収納して持ち歩く、というのは、なかなかに心の強さを要求されそうである。……持ってないけど。

 とまあ斯様に巻上げとか、シャッターチャージというのは、「このまま放置」という場面では精神衛生上よろしくないのである。というわけで、頻繁に撮るしかない。もしかすると、この精神衛生上よろしくない、という前段階を設けることで、カメラの設計者は僕らにカメラを使わせようとしていた……なんてことはないだろうね、たぶん。

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